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リハビリテーションプログラム

今日は、看護コース第15回のCaulfield Hospitalを訪問した時のご紹介です。
ここは、日本語で言うとコールフィールド総合医療センターというようですが、
今回はリハビリテーション施設を見学してきました。

まず最初に、ここで提供されている在宅でのリハビリテーションプログラムに
ついての説明を受けました。
在宅でのリハビリというのが日本にもあるか分かりませんが、
私にはあまり馴染みがありませんでした。

できるだけ自宅でという考えの強いオーストラリアならではの
プログラムなのかもしれません。

あとは、日本とは広さが全然違うので、
通院するということがなかなか難しいというのもあるのかもしれません。

このプログラムでは、自立生活支援を最大の目的として、
退院後の患者さんを対象にチームに分かれて在宅リハビリテーションを
提供しているようです。
このプログラムを受けるには条件があります。

まず、短期間であること(最大8週間)、自宅に訪問しても良いという同意があること、
他の部門などとの情報を共有するということに同意していること、
作業環境の安全が確保されていること、
そして何よりも病状が安定していることといった条件が含まれていました。

ですので、このプログラムに該当しないのは、
8週以上の長期のリハビリが必要な場合、そして18才未満の場合です。
子供は、以前このブログで紹介したロイヤルチルドレンホスピタルがあり、
そこがリハビリも含めて小児医療サービスを提供しているためということでした。

このリハビリテーションプログラムでは、理学療法士・作業療法士は当然ですが、
栄養士の栄養指導、言語療法、認知セラピーなども提供されており、
様々な専門職でチームが構成されていました。

心臓リハビリテーションでは、自宅でできるエクササイズなどの
リハビリを受けられるようです。
そして、在宅リハビリではありますが、
グループを作って近所を実際に歩いてみる、
横断歩道を実際に渡ってみるなどもやっているということでした。

次に、義肢を作ったり、それを使用してリハビリを行う場所の見学に行きました。
ここでは部屋の一室ではありましたが、たくさんの義足や義手の展示があり、
昔使われていた義肢に触れることができました。

ここで私が驚いたのは、義肢を作る作業場が施設内にあり、
型どりから実際の完成まで、
プラスチック製だと1日、ラミネート製だと2~3日で出来上がるそうです。
そして、完成した義肢がきちんとあっているか確認して、
ここで修正できるということでした。

私のイメージだと、日本では義肢などを作成する場合、
義肢装具士さんが病院に出向いて型どりなどを病院で行い、
その型を装具士さんがもって帰って作成するので、
完成するまでに時間を要したと思います。

なので、完成したあとに修正を加える場合はもっと時間がかかるし、
それまで患者さんは仮の義肢を使用してリハビリをしていたように思います。
早くできて、すぐに修正できるというのは患者さんには
すごくメリットだと思いました。

その後は、Hydrotherapyの見学をしました。
ここは温水34℃・室温28℃に保たれた温水プールで、
入院患者さんも外来患者さんも利用できるということでした。
日本では湯治が昔からあって、温泉療法やこの施設のように
温水をリハビリに取り入れている施設も多いかと思います。

ここでは、疼痛軽減、循環改善、バランスを取る練習や筋力アップなど
さまざまな目的で利用されるそうです。

リハビリテーションルームも見せてもらいましたが、
筋・骨格系のリハビリを必要とする整形外科領域のリハビリ室と、
脳卒中や認知症などの脳神経系領域のリハビリ室と分かれており、
さらに心臓リハビリテーションは別の部署で行われているということでした。

さすがオーストラリア、リハビリの領域によって部屋が違うなんて・・・。
私の勤めていた病院では全部同じリハビリ室でしたし、
日本ではそれが普通だと思います。
以前のブログで紹介したリフトももちろんあって、
今回は実際に使用しているところを見せていただきました。

感想としては、やはりリフトを使うだけの時間と広さが必要で、
最低スタッフ2人はいるし、
抱えれる体重の人が多い日本でのリフトの普及は難しいなと思いました(笑)。

最後に、心臓リハビリテーションのプログラムについて説明を受けました。
このプログラムは全部で7つあって、年間300名の患者さんが利用するそうです。
年齢の若い人や働いている人が優先になるそうですが、
自立生活支援や社会復帰のサポートを目的としているということでした。

年齢や期間、病状によってプログラムは変わり、
講義とリハビリを組み合わせて行われています。
この講義は約1時間10分/回、プログラムによって
回数は異なりますが(12回とか18回とかさまざま)、
医師・看護師はもちろん、栄養士、理学療法士、
臨床心理士や社会福祉士などの様々な専門職が
それぞれの立場から説明や指導をするということでした。

リハビリ室にはエアロバイクやトレッドミルはもちろん、
椅子の上で座ってできる体操の写真や、
上肢だけ運動できる機械なんかもありました。

私は心臓外科手術直後の患者さんとしか関わった経験がなく、
この領域で退院指導というものをしたことはありません。
ですが、退院後や心疾患があって自宅での生活に不安がある患者さんにとって、
これだけしっかりしたプログラムがあるというのは
すごく魅力的ではないかなと思いました。

「患者さんが指導を守ってくれるか」という質問に対しては、
説明して下さった看護師さん曰く、
若い人が多く、実際によくなっているという実感が得られるの
で継続してもらえるということでした。

もしかしたら、日本にも同様の規模でリハビリに特化した施設が
あるのかもしれません。
心臓リハビリテーションなんかも、
都会では同じようなプログラムがあるのかもしれませんが、
ずっと大学病院に勤めていた私にとっては、
今回の見学はとても新鮮な体験でした。

日本で考えた時に、規模やスタッフの数は
どうしても劣ってしまいます。
ですが、プリグラムの内容自体はとても興味深いし、
日本の医療にも活かせるのではないかと感じました。

このブログをみて面白そうだなと思った方は、
看護留学を検討してみてはどうでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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