訪問:RDNS 在宅サービス | アクティブウーマン看護留学ブログ

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訪問:RDNS 在宅サービス


皆さん こんにちは
5回目となるメルマガをお届けします。

先日の休日にチョコレートフェスティバルに友達と行ってきました。
テントの中での開催で、色々なチョコレートの試食ができ、
同時に販売もされているので、会話を楽しみながらの購入も
可能でした。

私はメキシコ発祥のチョコレートタブレットを試食してみて
気に入ったので、試しに購入してみました!
そのまま食べても良し、お湯や牛乳に溶かすのも良しです。

さて看護コースですが、今回が最後の外部訪問になります。
10名少しのクラスメートと通訳の方とで、トラムに乗って現地へ
出かけました。

昼下がりのとても明るい時間帯であり、広大な敷地の公園や
歴史的な外観の美術館、やしの木の並木を横目に、
「芝生に寝転がったら気持ちよさそう!」などと話をしていました。

RDNSとはRoyal District Nursing Surviceの略です。
オーストラリア最大の在宅サービスを提供しておられ、
その歴史は古く、1885年にまで遡ります。

開業当時はわずか2名の看護師であり、訪問の交通手段は
徒歩や自転車、そしてトラムであったようです。トラムは130年も
前から重要な交通網だったのですね。

1960年代にはベビーブームの影響によって、助産師が急激に増加
しました。看護師も助産師としての勤務の需要があったとの事です。

時代は進み2015年現在、高齢者人口の爆発的な増加に伴って
看護師の増加が見られるようになった傾向があります。

講師の方は看護師のエドイーナさんで、病院と訪問の分野
において35年のキャリアがあります。その内の22年間は、
訪問看護に携わって来られたと言います。

その背景には、患者さんにとって家族や住んでいる地域
に勝るものはないとの意識を持たれていて、
在宅で過ごすにあたって尊敬と自主性を尊重したい
との思いがあるようです。

そしてそのような現場に立ち会えることは
エドイーナさんにとっても貴重な体験のであると、
仕事に対して誇りを持たれています。

さて、そんなRDNSの持つ役割とサービス分野ですが、
内服薬や点滴、栄養管理、創傷ケアやDMのコントロール、
家族への指導、高齢者施設入居への準備対策、ADLの支援…
と幅広くカバーされています。

上記内容を提供する為の実際のサポートとして、
緩和ケア、在宅看護、24時間体制の支援、
教育(病院から自宅に退院すると始めは家人も戸惑うが、
指導をして可能性を引き出す)、ホームレス人の支援
(制服を毛嫌いする人もいるので私服で対応)などです。

訪問看護と在宅看護のサービスについてですが、
別の機関を組み合わせてのサービスを受けることは可能です。

緩和ケアは莫大な補助金を政府から受け取っているので、
利用者からの支払いはフリーになります。
在宅看護は それに比較すると少ないので、$3.50/回の利用料が
発生する仕組みとなっています。

ここで、YouTubeにアップデートしてあるRDNSのビデオを見せて
もらいました。内容は、メルボルンの町で生活しておられるホームレス
の人々に対する、RDNSの活動でした。

ホームレスの方を支援するプログラムに関わっているのは合計で
35名のナースの方たちで、対象者を探すために細い道にまで入って
行かれる様子が映し出されていました。初対面からいかに信頼関係を
築くことが難しいと、看護師の方はインタビューで仰っていました。

病院でもそうですよね。病床を生活の場としている患者さんと
いかに信頼関係を構築していくかは、一人の人間としてのあり方
までさえも問われます。一晩にしてなるものではなく、毎日の
小さな言動の積み重ねではないかと思います。

ホームレスの人たちは少しずつ看護師との心の距離を縮めていき、
看護師が住まいにやって来ることを受け入れて自然な笑顔が見られる
様になっていきます。社会的な繋がりを作る事を目的に、食べ物の提供や
ビリヤードなどのアクティビティも開催されており、
定期的な顔ぶれも増えてきます!

健康的で不安のない生活を提供することのメリットとして、
不安定な経済背景や不健康な心理状態による犯罪を
軽減させることが臨めます。

日本国内でもホームレスの方を対象としたボランティア団体がありますが、
積極的に医療機関がサポートしていると言う話題は
あまり耳にしたことがなかったので私にとってかなり新鮮なビデオでした。

当事者の方はインタビューの中で、「メルボルンはとても住みやすい所だ。
出ていく気なんてないよ。」と笑顔で回答されていました。

実際、ビクトリア州は他の都市と比較して
手厚いサポートをされている背景があるようです。

しかし中には、精神疾患や飲酒、ドラッグを理由に
自ら路上生活の継続を望む人もおられるとの事でした。
なかなか距離感を掴むのが難しそうですね。

またRDNSの対象者ですが、最高齢者はなんと110歳の方がおられ、
56歳以上の利用者は70歳の利用者を上回っている様です。

サービスをどこから利用し始めるかですが、
病院、地域のかかりつけ医、施設、近所の人、友人や家族、
または自らの選択でとの事です。

近所の人と言うのが個人的に気になりましたが、
この場合は、RDNSから本人に直接連絡が入って、
同意を得てからとの説明でした。

また多様性に柔軟に対応できるように心がけておられ、
168カ国以上の国籍の人が住んでいることを念頭に活動されています。

次に、このRDNSが採用されているモデルについて
お話して頂きました。

ASM(active service model)と言い、
誰でもが自主的な生活を送りたい意思があるとの概念を
主軸にして、個々にはそれを到達する能力が備わっている
ので、それをホリスティックな側面からアプローチする事が
必要であるとする考え方です。

目指すべきゴールは、主体的に、自分の健康を責任を持って
生活が出来るようになることです。なので、例えば糖尿病を
慢性的に患っている患者さんがいたとして、毎日は看護師の訪問を
好まない、あるいはインシュリンの針が怖いとの状況があるとします。

ここで看護師がアプローチすることは、自活が可能になるための教育です。
どのようにしたら看護師の訪問を毎日受けることなく、患者さん自身での
管理が行えるかを少しずつ学習してもらい、自立を徐々にサポートします。

右の写真は、在宅での薬剤管理のパッケージです。
最初にアセスメントシートで、自己管理能力があるかを試します。
薬剤部が個別に詰めてくれるので、カレンダー通りに本人または家族が
薬を取り出して内服できる仕組みになっていました。

認知症のある方にも対応しており、誤った名前に返事をされても
ダブルチェックができるように、
顔写真が貼付されているので照合できますね。

また英語だけでなく、多言語での表記のものも準備することが可能です。
とても心強いですね!夫婦で使用するなら、ピンクとブルーのボードを
それぞれ使用することも出来るようになっています。

本日はここまでになります。最後まで読んで頂きありがとうございました。








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