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オーストラリアの出産事情。産んだら12時間後に退院!?

前回までに看護コース第8回までの紹介を終了しました。
今回は、この続きを紹介したいと思います。

第9回は、Box Hill Hospital Birraleeを訪問しました。
ここはBox Hillという地域にある公立病院の、
マタニティーサービスを行っているところです。

NICU12床、産後ベッド38床、分娩室12部屋の施設になります。
ここは公立病院なので、現地の人であれば費用は全て無料になります。

分娩の際は、32週以降の妊産婦さんが対象になるそうです。
私たちはここで、授乳トレーニングや教育を担当している助産師さんから、
病院についての説明を受けたあと、施設内を見学しました。

説明の中で驚いたのは、正常分娩の場合は1~2日後に退院、
帝王切開の場合は3~4日後に退院になるということでした。

もちろん、自宅で静養するのが前提で、在宅訪問もあるということでしたが、
それにしても短いというのが正直な感想でした。

私が看護学生の時、助産院で実習をしましたが、
ここでは早くて出産後2日目くらいに退院だったような気もします。

私は出産経験もなく、この領域にも詳しくないのですが、
日本の病院だともう少し入院期間が長いと思うし、少なくとも帝王切開の場合は
一週間くらいは入院するのではないかと思います。

ここでは正常分娩で、本人が希望して何の問題も無い場合は、
出産12時間後に家に帰れることもあるそうです。

この病院が公立であることと、できるだけ自宅に帰って療養するという考えが
一般的なここオーストラリアならではの入院期間の短さなのかもしれません。

もうひとつ、質問の中でみんなが驚いていたのは、妊婦健診のエコーについてです。
ここでは、18~20週目に1回ともう1回の計2回くらいしかエコーをしないそうです。
日本に比べたら少ないと思います。

ですが、説明して下さった助産師さんは助産歴40年以上の大ベテランで、
エコーの無い時代から分娩に携わっているので、
「エコーをして何か分かったからといって、
何かすぐにできるということは少ない」というのが結論でした。

日本人はオーストラリア人に比べていろいろ細かいことを気にする方なので
(それが日本人のいいところだと思いますが)、
こういうところで国民性の違いも出てくるのかもしれません。

ここでは、分娩時は2名の助産師さんが看護するそうで、
トレーニングをつんだ助産師さんであれば
医師の指示がなくても使用できる薬剤もあるそうです。

日本では、医師の指示がなければ’薬剤が使用できないというのが前提なので、
この点が日本とオーストラリアでの大きな違いのようです。

また、正常分娩から途中で帝王切開に変わる場合も、
コードグリーンと言うそうですが、
このコードがかかって3~4分以内に手術室へ移動して
手術がスタートできるような体制が整っているそうです。

先に述べたように、私はこの領域で働いた経験がありませんので、
全体の私の印象としては、日本でいう助産院が大きくなって
病院になったらこんな感じかなと思います。

助産師さんが主体で、定期的にフォローしながら、何かあればDrの診察を受ける。
緊急事態のときは、提携している産科病院や小児病院へ搬送する。
一般病院も隣にあり、NICUなどもあるので、
何かあってもすぐに対応してもらえるという安心感もありながら、
これだけの規模があるのは、やはりオーストラリアならではかなと思います。

第10回は、Royal Childlen's Hospitalへの訪問です。

しかしながら、この訪問に際しては2グループに分かれて行われ、
同じ看護コースでも前半組は訪問済みですが、
私を含めた後半組はまだ訪問できていません。ですので、次回ご紹介したいと思います。

第11回 Wond Careについて、Carolinaさんを先生に迎えて講義を受けました。
Wond Careはいわゆる創傷ケアで、Carolina先生はもとは助産師さんだったそうですが、
日本でいうところのWocナース(認定看護師)にあたるようです。

ですが、大学で教鞭をとられており、日本の臨床にいるWocナースとは少し違い、
創傷ケアを専門に扱っているようでした。

今回の講義では、慢性創傷ケアについての概論と、
ここオーストラリアで使用されているドレッシング材について学習しました。

概論は日本とほとんど同じで、ドレッシング材については、名称は違えど、
種類や用途に大きな違いはないようでした。

ひとつ違うなぁと感じたのは、糖尿病のフットケアに関して、
ここオーストラリアではPodiatry(足病学)というのがあって、
Podiatristという足を専門にしている医師がいるそうです。

彼らが、除圧のための靴を選んだり、中敷きを考えてくれるということでした。
そういえば、アメリカの海外ドラマで足病学者というのが出てきた気もしますが…

私自身も、内科にいた6年間は混合病棟で、
糖尿病の患者さんとも長く関わってきた経験があります。
ですが、足病学というのはあまり馴染みがなく新鮮な響きでした。
いずれにしても、フットケアの重要性はどの国でも変わらないようです。

特に肥満や糖尿病が問題視されているこのオーストラリアでは、
創傷ケア専門の看護師も含めてフットケアを行うようです。

日本の助産師さんや、創傷ケアを専門にしている看護師さんにとっては、
ごく当たり前のことかもしれません。
ですが、そうでない方には、そうなんだぁと少し思ってもらえるといいなと思います。

長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。








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