子供の人生に寄り添う仕組みのある小児病院 | アクティブウーマン看護留学ブログ

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子供の人生に寄り添う仕組みのある小児病院

今日のメルボルンは快晴、そこまで寒くなくとても過ごしやすい一日でした。
そんな今日は日曜だったので、友達とベトナム料理を食べにランチに行きました。
ここは値段もお手頃で、とてもおいしかったです。

ここメルボルンでは、いろんな国の料理が食べられます。
メニューを見てもよく分からないことが多いのですが、
同じクラスの人とその国のレストランに行くのもとても楽しいですよ。

今回は、The Royal Children Hospitalを訪問したのでご紹介したいと思います。
ここは病床数250床、しかもその90~95%が全て個室というこども病院です。
入院患者さんは年間約3万5千人、外来患者さんは年間約28万人だそうです。

1870年に創設され、当初は6床からスタートした歴史ある病院で、
2011年に現在のロイヤルチルドレン病院が新築され移転したということでした。

この看護コースに参加して、この国の病院や施設の大きさには毎回驚いていますが、
今回は本当に施設の規模がすごかったです。

まずは環境ですが、新しく病院を建てるにあたって設計の段階で建築家と相談して、
「病院の雰囲気は避ける」ということを大事にしたそうで、公園の一部に見えるように
公園との垣根をなくしたり、光がたくさん取り入れらるよう採光の工夫がされていたり、
子供が好きそうな大きなモニュメントがあったり、
子供が遊べるように木でできた椅子にところどころ穴があいていたり、
おっきな水槽があってサメまで泳いでいたり、本当に病院という感じはしませんでした。

エレベータの中はかわいらしい絵が描かれていて、各階には階数が上がるにつれて
地中、海、地上、山といったコンセプトで名前が付けられており、
地上のカンガルー病棟といった感じで子供が覚えられるようにということでした。

そして、施設の設備という点でとても驚いたのは、病院の中に映画館やプール、
図書館、工作やゲームなどが楽しめる部屋やラジオ局もありました。
おまけに、外来にはミーヤキャットまでいて、ガラス越しに一生懸命に穴を掘る
ミーヤキャットがすぐそばでみれるという感じでした。
本当に子供のためにいろいろ工夫されており、たくさんの設備がありました。

まずは映画館ですが、ここはメルボルンで上映されている映画と同じものが無料で
楽しめるそうです。中は普通の映画館と何ら変わらず、ゆっくり座れるように
大きなソファがたくさん並んでいて、家族で楽しめるように工夫されていました。

次にプールですが、ライフセーバが常駐しており、
患者さんが予約して利用できるようで、
重症な患者さんだとスタッフの数を増やして対応してもらえるそうです。

そして、私が一番驚いたのはゲームや工作が楽しめるStarlight roomという施設です。
ここは、本当に子供が楽しめる空間というにふさわしい感じで、この中にラジオ局もありました。
実際に患者さんがラジオに出演して、それを自分の病室で聞くことができたりするそうです。

兄弟姉妹であれば一緒にここを利用できるようで、
ここも家族が一緒に過ごせるように工夫されていました。
ボランティアで運営されているそうで、ここでボランティアをするためには、
二つ以上の楽器が弾けることや歌えること、幼児教育の資格があることなどの条件があるそうです。

病室からでれない子供のために、
ボランティアが病室に出向いて一緒にゲームや工作などをすることもあるそうです。

ここまでくると容易に想像できるかもしれませんが、
もちろん患者さんの両親や家族が泊まれる設備もありました。
中は見れませんでしたが、小さなホテルみたいなものということです。

この国の小さなという表現は、あまりあてにできませんが(笑)。
さらにミーヤキャットですが、ここでも私は驚きました。
柵付きの檻の中ではなくて、本当に自由に動き回るミーヤキャットがガラス越しに見れたからです。

ずっとブログを読んでくださっている方は、私がウェルビー動物園に何時間もかけて行った
経験があるのを覚えて頂いているかもしれません。
その時に動物園のレストランのガラス越しにミーヤキャットが見れて癒されたという話をしましたが、
それと同じ状況がメルボルン市内のこんな近くで、しかも病院の中で見れるなんてことに驚きました。

私は小児科で働いた経験はありませんし、大きなこども病院というのも身近になかったので、
日本のこども病院とは比較できませんが、これだけの設備が整っているなら、療養環境にあっても、
楽しんだり喜んだり遊んだりといった子供らしさを失わずに過ごすことができるのではないかと思います。

肝心の看護ですが、処置などは処置室で行い、病室ではできるだけ行わないようにしているそうです。
それは、自分の部屋は安全な場所だと認識してもらえるようにということでした。
特に痛みを伴う処置では、日本同様おもちゃなどの様々な小道具を使って気をそらせるなどしているそうですが、
この処置室には笑気のような麻酔ガスが使用できるようになっていて、
どうしても子供が暴れる場合はこれを使うこともあるそうです。

こういった薬剤をトレーニングをつんだ看護師が使用できるというのが、
日本との大きな違いなんだと私は思います。

看護師を含めた医療者のトレーニング設備というのも見せてもらいましたが、
模擬患者さんのバイタルや咳嗽など、トレーニングを提供する側がコントロールできるといった
高度なシュミレーションルームがあったり、大学並みの大講堂があったりしました。

小さな会議室のようなものもたくさんあって、
スタッフが勉強会などで使用できるということでした。

この日の訪問は約2時間歩きっぱなしでしたが、驚きの連続でとても楽しめました。
小児科専門の方にとってみれば、働くならばとても魅力的な病院なのではないかと思います。
もちろん、環境や設備が全てではないですが、環境というのはメンタルにとても強く影響するし、
特に子供ならなおさらだと思います。私も子供のころ入院した経験がありますが、
こんな病院に入院したかったなぁと思います。

小児科領域に興味がある方もない方も、ぜひ行って私の感じた驚きをその目で確かめて欲しいです。
私に子供はいませんし、小児科勤務経験もないのであまり大きなことは言えませんが、
国が違っても子供に取って必要なものというのは、あまり変わらないようにも思います。

私の個人的な経験から言わせてもらえば、子供の病気や療養環境というのはその後の人生にものすごく大きく影響してきます。
そこで提供される看護や医療というのは本当に大事だと思っているので、
この病院のように「子供のために」というコンセプトをしっかりもったこども病院が日本に必要とされて、
そしてもっと増えたらいいなと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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