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講義:栄養医学療法  ”健康は毎日の食事から! ”


皆さん こんにちは

8月も後半に入り、オーストラリアでは寒さが大分和らいできたのを
肌で感じています。こちらでも梅や桜の蕾が目立ち始め、
もう満開に近い木も見かけるようになりました。

周囲の人の表情も明るい気がします!

6回目となるメルマガをお届けします。

さて今回の講義は、クリニックでコンサルタントをしておられるサチコさん
にお話をして頂きました。子育て中、子供さんの体調不良をきっかけに
こちらの学校で栄養学の勉強をされました。

栄養医学療法とはあまり聞きなれない言葉ですが、分類的には
代替医療や自然療法の領域に属します。名前からも想像が出来るように、
内容は食生活や生活習慣の見直しに焦点を当てています。

身体にとっての不可欠なビタミンやミネラル、
必須脂肪酸などをサプリメントとして補給する事と、
またその結果として、身体のバランス及び代謝を回復させて自然治癒力を
引き出すことをねらいとしています。

その方法についてですが、身体を構成するおよそ60兆個もある細胞の働きを
向上させて、疾患を治療していきます。
遺伝子に組み込まれている健康な状態に近づけるために必要な栄養素を
補給することによって回復され、自然治癒力を通じて病態を治療していく
積極的な治療法と言えます。

それではその自然療法の6つの原則について紹介します。

1.まず害を与えないこと

2.症状を抑えるだけでなく原因を治療せよ

3.健康な習慣へと自己改革出来るように教え導く
(病気や疾患を説明し、対処方法を指示して自己管理を促す)

4.丸ごとの人間を治療せよ

5.予防は最良の治療方法である

6.身体には自然治癒力が備わっている

現代社会のほとんどの病気は、かつてのように細菌やウィルスが
原因ではなくて、細胞の変性や退化が原因とされています。

「自己複製能力」及び「自己治癒力」が弱まったとき、人は病気になります。
それらの低下に繋がる細胞の変性や退化を予防するのが、
「正しい食事」と言えます。

ここで一つの図が表示されました。
TCAサイクルまたはクエン酸回路とも呼ばれる図式で、明らかなのは、
ビタミンBとマグネシウムが相互の生成に不可欠であるということです。

これがうまく機能しないと、疲労蓄積や集中力の低下、
何らかの体調不調が実感されるようになります。

統合医療についても少し触れます。

目的は、患者にとっての最良の恩恵を与えうる、
医療の可能性を見出だす事です。

現代の西洋医学のシステムや方法論だけでなく、
相補・代替医療(CAM)のシステムや療法を積極的に取り入れて、
統合的な治療とケアをしていこうと言う医療を提供します。

疾患の診断確定や救急医療には現代西洋医学の医療技術を活用し、
対症療法的なアプローチでは解決の困難な生活習慣病や慢性疾患、
免疫疾患などは適切な相補・代替医療の知識や知恵、方法を
積極的に評価した上で活用していきます。

オーストラリアでは、多額な研究予算を使って衛生研究所に
国立相補及び代替医療センターが設立されています。
科学的な研究がされており、統合医療クリニックも多々存在します。

そんな代替・統合医療の歴史ですが、
まだそんなに昔のことではありません。

1960年代に「メガビタミン療法」について科学誌で発表して
ノーベル化学賞を受賞したアメリカのポーリング博士と、
統合失調症について研究を深めた事で知られるカナダの博士によって
提唱され、現在では欧米で広く指示されています。

日本では「分子栄養学」、「分子整合栄養医学」、
「オーソモレキュラー療法」としての分野が栄養医学療法を
統括する分野になります。耳にされたことがあるでしょうか。

この療法が日常的に取り入れられている医療機関は、
日本国内で約1,000施設もあるようです。

言葉さえあまり馴染みがありませんが、
実は身近な所で既に確立されている療法と知り正直なところ驚きでした。

気になる医療保険ですが、歯科医療やカイロプラティック、
フィジオセラピー、栄養療法、自然療法など全て
無償で受けることが出来ます。

さて、それではその栄養医学療法の有効性についてですが、
食事がどんなに配慮された完璧な食事であっても
心理的、生理的ストレスが背景にある場合、食事を摂取するだけで
健康を維持するのは難しいと言えます。

生肉には成長剤が投与され、果物にはワックスが塗布してあります。
豆類は遺伝す組み換えであったりと、食品表示だけは汲み取りにくい
情報が、気づかない所で私たちの生活に浸透しています。

これらの食品を避けようと思えば、少し高価な買い物をする事になります。

オーストラリアでは幸いにもそういった思考の人たちが多く、
そのようなラベル表示のものや、
マーケット自体を見かける機会が沢山あります。

栄養サプリメントの正しい補給、最適な食事、
最適な食事習慣の3本柱を心がけると、より有効な治療法になると
される研究論文が数多く発表されています。

そして何よりもそれらには副作用が少なく、
身体に負担を掛けることなく根本的原因に対処する
治療法であることが最大のメリットです。

医療としての食事、日本語では薬膳と言う言葉もある様に、
肥満や糖尿病、メタボリック症候群を始めとした生活習慣病、
鬱病や癌にもその効果があるとされていますね。

栄養サプリメントは、条件により最適量やフォーム、
摂取方法が異なります。

考慮する項目として、砂糖と食塩の摂取量、排泄・ホルモンバランス、
飲酒・カフェイン摂取、季節、生理的ストレスの質と程度、
消化酵素、胃液の量、咀嚼状態等と多岐に渡って
情報収集をする必要があります。

それでは最後にファイトケミカルについてご紹介して
締めくくりたいと思います。

ファイトケミカルとは、野菜、果物、豆類、イモ類、海草、
お茶やハーブなどの、植物性食品の色素や香り、
灰汁等の成分から発見された化学物質です。

植物が紫外線の害や虫から、
自らを守るために作り出した物質の事を指します。

活性酸素から身体をガードし、それは人間にとっての抗酸化作用、
免疫系制御、解毒酸素誘導の役割を果たしてくれます。

抗酸化作用を持つものとして、
加熱すると抗癌作用のあるリコピンを含むトマト、
1-2杯の赤ワイン、緑茶など。

発がん物質を抑制するものはブロッコリー、キャベツ、
にんにく、キノコ類、発酵された大豆食品など。

免疫力を高めるものには生姜やネギ類、海藻類、バナナ、
クランベリー・・・と紹介しきれないほどの項目があります!

今週は試験週間であったので、学校から10分ほど離れた観光名所の一つに
足を伸ばして行って来ました。

徒歩圏内なので喋ってると直ぐに到着します!
学割が適応されて、お得に入館できました。

添付している写真は、旧メルボルン監獄の写真です。
実際に使用されていた歴史があり、1841年から1924年のおよそ80年の間、
ここで沢山の囚人が収容されてきました。

現役の警察官がツアーとしてお客を囚人として扱いながら、
施設を案内してくれます。

オフィサーの態度はドアを開けたときから始まっており、
「男女左右に分かれて、壁に背を向けて一列に並べ!」
「靴底を交互に上げろ!麻薬を隠し持っていないか
確認する!」などの指示は臨場感があり圧倒されました。

本日はここまでになります。

最後まで読んで頂きありがとうございました。






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