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'Quality of Life' オーストラリアでの緩和ケア


皆さん、寒い中での通勤、夜勤、お疲れ様です。
ご自身の体調にもお気をつけ下さい。

Banksia Palliative Care Service へ訪問し、
オーストラリアでの在宅緩和ケアについて学んできました。

今回お話を伺ったのは看護師Julieさんです。

日本へ6回訪問されており、
オーストラリアと日本と比較しながらお話して下さいました。

 'Quality of Life' の観点から患者、利用者をみること。

緩和ケアは終末期と捉えがちですが、
そうすると慢性期の患者さんを見逃してしまう可能性があります。

未告知の場合はQOLについて話すのが難しくなってしまいます。

QOLに重きを置くと、がんと診断された患者のみを対象とすべきではなく、
老人介護施設などに入所されている患者も対象となります。

また人生の最期の数日、
数週間に緩和ケアを提供してもさほど意味はありません。

その段階は症状コントロールが中心となるからです。

慢性期で入退院を繰り返していると、
また良くなるだろうと思いがちですが、
突然亡くなってしまうこともあります。

心の準備ができないためショックも大きく、
トラブルになってしまうこともあります。

そのため、どのような経過をたどるのか指標となる表を使い、
本人、家族へ説明を行います。

説明の介入は共同責任と考えています。

患者がどう認識し、どう思っているのかを聞き、
必要に応じて医師に依頼します。

難しい内容は聞いても忘れてしまうことがあるからです。

オーストラリアでは、州の管轄によって、
どこに住んでいてもサービスにアクセスでき、
誰でも受けることができます。

最近は緩和ケアの寿命が伸び、利用者の数多くなっているため、
症状が落ち着いてきたら地域の在宅看護へ委託し、
関わる全てのスタッフが連携して緩和ケアを提供しています。

亡くなる1~2日前に入院して最期を迎える方が多く、
在宅での看取られる方は3割だそうです。

看護スタッフは、大学院緩和ケア専門トレーニングを受けた看護師、
GP(地域の開業医)をサポートする看護師がいます。

PT、OT、マッサージ師、心理カウンセラー、死別サポート、
ミュージックセラピー、ボランティアなどがいます。

看護師の訪問は1回45~60分、1日5件程、
限られた時間の中で、どれだけ質の高いケアを提供するか、

日本とオーストラリアでは医療システムが異なり、
QOLの捉え方も異なります。

日本の文化を尊重しつつ、患者、家族とQOLについて話し合い、
幸せな人生だと思えるように関われたらと思います。



疾患がどのような経過をたどるのか、説明の際に指標とする表



利用者へのメッセージ



パンフレット(日本人向けも含む)



患者、家族のストーリー(パンフレットの1ページ)


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